出版社内容情報
宮武外骨此が生涯に刊行した170点をこえる雑誌の殆どを集大成するシリーズ。
官僚政治討伐、大正維新建設との標榜、福田徳三、谷本富、大庭柯公等の寄稿を載せた『民本主義』、実は単行本分冊出版の『早晩廃刊雑誌』を収録。いずれも、創刊即終刊。
感想・レビュー
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ポレ
7
収録作品中、幸徳一派大逆事件顚末のみを読了。幸徳事件の判決書全文、海外からの批判に対した証拠説明書全文、外骨が蒐集した当時の新聞記事、雑感記事等、そして担当弁護人だった今村力三郎による、同じく大逆事件である虎ノ門事件の後に心境を綴った『芻言』が最後に収録されている。国家権力により捏造された証拠に基づく判決書全文を読むのは、大変に気が重く陰鬱な読書だった。証拠や証言を巧みに構築し、または捏造、改竄して、架空のストーリーを創作する検察の遣り口は、現在においても継承されており、断絶された過去の出来事ではない。2017/11/22