内容説明
大塩中斎の乱は当時の人々に大衝撃を与えたが、その決起は金権社会に対する義憤に発していた。帰虚説、陽明学との関り等を主著・檄文を平訳して紹介しつつ彼の思想と行動の本質を追求。
目次
1 為学の基本理念
大虚とは何か
天人合一
万物一体
聖人観
太虚に帰す
虚心〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Y2K☮
29
篠崎の「読書のすすめ」で衝動買い。半日で鎮圧された大塩平八郎の乱に興味があった。陽明学の知行合一を体現した生涯。失敗したら我が身がどうなるとか考えず、ただ仁の政道を実現するために必要なことをおこなう。その激しい魂は幕末の吉田松陰や維新後の西郷隆盛に受け継がれている。視野が狭いといえば狭いのだけど、だからこそ夏目漱石「坊っちゃん」の主人公や伊坂幸太郎「砂漠」の西嶋みたいに素直に悪を憎み、困っている人のために即行動できる。駆け引きや処世術を身に着ける前に押さえておくべき政治家の根本みたいなものが詰まった一冊。2023/03/13