アウシュヴィッツを越えて―少女アナの物語

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  • サイズ B6判/ページ数 337p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784887216990
  • NDC分類 936
  • Cコード C0098

内容説明

これまで多数出版されてきた“新しい「アンネの日記」”の決定版。悲惨な歴史のドキュメントである一方、戦争を力強く生き抜いていく主人公の姿が胸を打つ“希望の書”。アメリカ最大級の人道組織から贈られるサイモン・ヴィーゼンタール賞(2002年)、さらにオタワ出版賞を受賞。

目次

ワルシャワ、第二次大戦前夜
ワルシャワ・ゲットー
マイダネク
アウシュヴィッツ
蜂起
木霊する声
本書を読むために

著者等紹介

ハイルマン,アナ[ハイルマン,アナ][Heilman,Anna]
1928年生まれ。アウシュヴィッツから生還したポーランド系ユダヤ人。14才で収監された強制収容所内で、姉とともに反ドイツ地下組織と連携した暴動の準備工作に関わる。収容所に収監された家族4人のうち、ただひとり奇跡的に生還。戦後イスラエルで社会福祉の学位を取得し、ユダヤ人の夫との間に二女をもうける。1960年、カナダに移住。児童救済組織で働き、引退後の2001年、当時の日記と記憶をもとに執筆した『アウシュヴィッツを越えて―少女アナの物語』をカルガリー大学出版局より刊行。翌年、サイモン・ヴィーゼンタール賞のほか、オタワ出版賞を受賞。現在、カナダ、オタワ市在住

平戸久美子[ヒラトクミコ]
幼時にキリスト教文化、翻訳児童書に親しむ。「翻訳ワークショップBEC」にて別宮貞徳氏に師事。現在、英会話及びTOEIC講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

つちのこ

31
ホロコーストを生き抜いたユダヤ人少女の回想録だが、全編を通して実録をもとにした生々しい記述に溢れている。興味深いのは、ナチス侵攻以前のポーランドの中流階級で育った主人公姉妹の生活。そこには中流階級といえども使用人を何人も抱えた、艶やかなブルジョアの暮らしが見えてくる。平和で輝いていた少女時代が一変し、ワルシャワゲットーからアウシュヴィッツへと、まるで奈落の底に落ちていくような、不幸を絵に描いたむごたらしさの明と暗のギャップに息を飲む。一方でお嬢様らしからぬ、過酷な収容所生活をしたたかに生き抜く強さも、⇒2022/10/07

羽雪*hane**

23
ポーランド系ユダヤ人のアナ・ハイルマン。マイダネク、アウシュヴィッツ(ビルケナウ)の生還者として当時の日記と記憶を元にした記録。ワルシャワ、第二次世界対戦前夜の章では家族や親戚のこと、平和だった時を書いているがここがだいぶ長い。ベースが個人的な日記だからなのか翻訳によるものなのかわからないけど少し読みづらい。他のホロコースト関連の書籍と巻末の「本書を読むために」で当時の時代・歴史的背景などを補い読むのがいいかと。内容がとても主観的で戸惑ったが、個人の回想録として経験を伝えてくれるものであり貴重なもの。2018/08/25

uniemo

10
この作品で一番興味深かったのはビルケナウでユダヤ人が工場から火薬などを集め蜂起を企てた場面です。今までアウシュヴィッツ関係の本で軽くふれているのを読んだことがありましたが筆者の姉が当事者で残念ながら処刑されていますが詳しい行動がわかりました。また前半は工場を経営している聾者の両親の元、ワルシャワでの割と恵まれた生活が詳しく記述されていて、当時の雰囲気がよくわかりました。手元にないので確認できないのですが聾者のユダヤ人経営者がでてくる小説を読んだ記憶があるのですがこの本も参考文献だったのかなと思いました。2020/05/20

Mana

5
今年読んだアウシュヴィッツ三作目。偶々だけど、みんな少女の話だった。アウシュヴィッツの図書係では、家族収容所(赤十字への人道アピール用)の中でチェコの少女ディタは秘密の図書室を守って、14歳のアウシュヴィッツではルーマニアの少女アナがこっそり日記を書き続け、このアウシュヴィッツを越えてではポーランドの少女アナが反乱のための火薬の持ち出しに関わる。この本のあとがきで、回想録は出来事の一面しか見えないけど読み比べることで複層的に見えてくる(うろ覚え)的なことが書いてあったけど、本当にそんな感じ。ディタの家族→2016/11/26

Arte

0
両親ともに耳の聞こえない(中途障害)ワルシャワのブルジョワ家庭に生まれ、同化ユダヤ人としてカトリックの学校に通っていた著者が、ワルシャワゲットー、ゲットー蜂起、アウシュヴィッツを生き残った経緯を書いたもの。戦前のポーランドでのお金持ち家庭の暮らしが詳しく描かれていて興味深かった。花束を買うと、オアシス代わりにきゅうりに刺してくれるとか。著者と姉は、ゾンダーコマンドが焼却炉を爆破したのに使用した火薬を持ちだした一員で、姉はそれで処刑されている。2023/07/22

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