内容説明
雑誌等への初出後単行本に収められぬままに過ぎていた多くの論稿から、法と力との関係、即ち現実の国際現象と国際法との関わりを、終生追求し続けた胡寺沢教授の立場をよく表す力作多数を厳選・収録。なお第3部に収めた「生の問題」は、教授がシベリア抑留からの帰国直後、その体験に基づきひそかに書き綴られた全く未発表の文章であり、個人の思索の原点を示す貴重な私記と言えよう。
目次
第1部 国際法と強力(血讐論;国際紛争と強力;復仇制度の成立―慣習法成立の契機を探る手がかりとして)
第2部 国際平和と安全保障(地域主義の偏向;ヴェトナムにおける法と政治―アメリカの諸論議をめぐって;新安保条約の逐条解説 ほか)
第3部 思索の原点―法・事実・人間(ゲォルグ・イェリネック『一般国家学』における「類型」考;ケルゼン『法を通しての平和』(紹介)
ケルゼン『社会と自然―社会学的考察』(紹介) ほか)