内容説明
冷戦の終結は何ら世界に安定をもたらさなかった。内戦・テロと破綻国家の続出、独裁的抑圧国家の存続、そして大国による介入がさらに惨害を拡大する現状―こうした世界の悲惨を目前にし、従来の国家主権を超えて人間を守る新たな理念が大きな期待を担いつつ登場した。イギリス、カナダ、アフリカ、南アジア、イスラーム圏等の海外の研究者を交え、新理念が内包する理論的課題とともに、その営為・組織の具体的展開の現状と将来展望等、人間安全保障の全てを紹介・考察した初の総合的研究。
目次
第1部 人間の安全保障をめぐる理論的課題(人間安全保障概念の検討―重層の逆説;国際法への挑戦:「人間の安全保障」;価値体系・社会的過程と人間の安全保障 ほか)
第2部 人間の安全保障と外交政策(日本の援助外交と人間の安全保障―平和構築の観点から;人間の安全保障と政治―日本の「選択的受容」の意味;カナダの外交政策と人間の安全保障 ほか)
第3部 グローバリゼーション・紛争・人間の安全保障(9・11同時多発テロと人間の安全保障―イスラーム世界からの解釈;南部アフリカにおける人間の安全保障―紛争解決における市民社会の役割;グローバリゼーション・人間の安全保障・「テロとの戦い」―南アジアへの影響 ほか)
著者等紹介
佐藤誠[サトウマコト]
立命館大学国際関係学部教授。英国・リーズ大学大学院政治学研究科博士課程修了、Ph.D.
安藤次男[アンドウツギオ]
立命館大学国際関係学部教授。京都大学大学院法学研究科修士課程修了、同博士課程中退
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