出版社内容情報
図書新聞(2004年4月24日)書評より
「スペインのユダヤ人」は、実は、ポレミックなテーマであった。.......ユダヤに同調的な外国の歴史家は、中世ユダヤ人の経済・金融活動を重視するとともに、ユダヤ人追放によってスペインの資本主義発展の道は閉ざされたとした。実証主義の立場に徹しようとする経済史家の近藤氏は、上記のような一面的解釈、単一原因的な解釈を、とりわけ経済的諸事実から反駁する。......いずれにしろ、本書によってわが国のスペイン・ユダヤ研究も新たな地平に踏み入らねばならなくなったといえよう。
目次
第1章 古代のユダヤ人
第2章 西ゴート時代のユダヤ人
第3章 イスラム時代のユダヤ人
第4章 レコンキスタとユダヤ人
第5章 十四世紀のユダヤ人
第6章 十五世紀のユダヤ人
第7章 カトリック両王のユダヤ人追放
第8章 改宗ユダヤ人をめぐる諸問題
第9章 宗教裁判所と改宗ユダヤ人
著者等紹介
近藤仁之[コンドウヨシユキ]
1931年大阪府堺市生まれ(現在マドリッドに滞在)。早稲田大学商学部、同大学大学院経済学研究科卒業。1963‐66年スペイン政府国費・特別留学生としてスペイン国立マドリッド大学文学部で学ぶ。スペイン国立マドリッド・アウトノマ大学経営経済学部卒業。経済学博士。南山大学講師をへて1970年マドリッド・アウトノマ大学経営経済学部助手。現在同大学専任教授。スペイン社会経済史専攻
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