出版社内容情報
内藤湖南以後誰も書かなかった中国史学史。尚書・左伝から梁啓超,清朝野史大観まで,古典と現代史学の蘊蓄を傾けて,中国の歴史意識に迫る。自由で闊達な理解で中国学の世界に新風を吹きこむ。ようやく評価が凜い
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さとうしん
11
『尚書』から康有為・梁啓超まで、史書の解題で辿る中国史学史。取り上げる書は正史が多いが、『漢書』を範とする紀伝体の断代史以外の正史の方向性はあり得なかったのか?という疑問、問題意識が窺える。『文史通義』に意外と厳しい評価を下すなど、史書に対する個別の論評も面白い。民国史学への評価など、異論を挟みたくなる部分もあるが……2021/01/24
素人
1
『尚書』から梁啓超の『中国歴史研究法』までを取り上げ、それぞれの史書の特徴とその背景を説く。筆者は唐・劉知幾の『史通』および宋・鄭樵の『通史』を単なる事実の記録にとどまらず歴史書としての構成に配慮が見られるとして評価する一方、章学誠『文史通義』の理念ばかりが先行した叙述を厳しく批判する。史料の引用は全て書き下し(現代語訳なし)のため、読むのは少し大変。2017/12/10
ふみ乃や文屋
1
中国の歴史書についてざっと眺めてみるだけでも得るところの多い書。歴史書についてひととおりの知識を得るのには手頃でしょう。2016/03/30