内容説明
古代から現代(建築家)までの多種多様なインド建築をカラー435点と明解な解説で紹介。付・インド建築地図、索引。
目次
ストゥーパ
洞窟
山
水辺
公益物
都市
住居
木造寺院
煉瓦造寺院
石彫寺院
石造寺院
モスク
墓廟
城
宮殿
楽園
塔
門
回廊
柱
ドーム
開口部
彫刻
彩色
洋風化
現代建築
インドへの道
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
393
インドとはいっても、それ自体が大きい上に、北はヒマラヤの麓から南はインド洋まで気候風土も随分違う。また、ここに取り上げられた建築物群の時代も古くは紀元前3世紀くらいから近くは19世紀に及ぶ。宗教的にも多彩であり、インドにはヒンドゥー教、仏教、ジャイナ教、シーク教、イスラム教(これ以外にもパーシーなど)の寺院群が存在する。ひじょうに乱暴な言い方になるが、にもかかわらずインドにはインド様式ともいうべき独特のスタイルが存するように思うのだ。もちろん、例外は多々ある。でも、なんだかどれもがインドなのである。 2021/11/23
in medio tutissimus ibis.
3
インドの建築160箇所を、ストゥーパから現代建築まで26章に分類して特性を示すのが本書の狙いである。著者はその特性の総括として第一に、インド人の彫刻の愛好が建物全体をも巨大な彫刻とする外向きの建築を産み、一方でそれは内部空間の貧弱さと壁画の軽視でもあること。時代とともに過剰となりつつあったその傾向を偶像崇拝を禁じ空間を囲む被膜として県チックするイスラムが軌道修正した。第二に、建築の原理が木造的であり、柱と梁の軸組み工法に美的に執着している事である。ドームを柱と梁で支えるチャトリはそのイスラム的解答である。2019/11/13