内容説明
『ダブリンの人びと』から『ユリシーズ』『フィネガンの通夜』に及ぶ全作品の解読と、欧米の最新文学理論に基づくジョイス文学の位置付けを試みた力作。
目次
なぜ今ジョイスなのか
肉体の誕生―ジョイスの時代(3つの支配者;麻痺した民族の魂―『ブダリンの人びと』をめぐって)
魂の目覚め―芸術家の形成(ジョイス美学の構築;『死せる人びと』―表象の多重性;『若き日の芸術家の肖像』―黒と白の相剋;『亡命者たち』―イプセンとピンターのはざまで)
魂の飛翔―ジョイスの文学(『ユリシーズ』―シンボリズムとリアリズムの結合;『フィネガンの通夜』―ヴィーコ、ブレイク、ジョイス)
ジョイス文学の理解のために―通時的に
ジョイス年譜
出典及び註
増補(ジョイスをめぐる戯画的作品について;英国の批評の現状―1990~91年)