内容説明
市民社会という“此岸”の中から思想の可能性を取り出す。大衆の原像とエロス、ポスト・モダン論、差別・少数者論、オウム事件、現象学、言語哲学―息詰まるほどに徹底的な思索と討議の軌跡。
目次
変容する世界像と不断革命(吉本隆明)
エロス・死・権力(吉本隆明)
ロマン主義批判の帰趨―「昭和批評の諸問題」にふれて(笠井潔;島弘之)
差別って何?(加藤典洋;岸田秀;橋爪大三郎)
在日することへの視座―ノーマ・フィールドと金時鐘のテキストを手がかりに(加藤典洋;姜尚中)
「オウム的現代」とは何か(小浜逸郎)
現象学的方法の可能性(広松渉)
ニーチェ―徹底した懐疑の果てに(永井均)
言語のなかへ―丸山言語哲学を導きとして(立川健二;前田英樹)
付録=インタビュー 新しい思想の根拠と方法―オウム・超越・吉本隆明
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
袖崎いたる
6
廣松渉との対談おもろかった。なにせ、自著で廣松のフッサール理解は間違ってると主張してる竹田と廣松がフッサールの現象学の話をトピックにして対談してんだもん。あんのじょう、お互いの解釈の違いが浮き彫りになっておった。とくに主客の一致を超越-内在の図式が乗り越えになってるってくだりで、廣松渉はそれはなされてないと診るんだけど、そこで生じる妥当こそ明証性の審級をクリアするんだと竹田は診るとこ。楽しすぎ。あとは永井均とニーチェ解釈でやりあってるのがオモロい。オレの感じだとこっちは永井の解釈のほうに魅力を感じたけどね2023/02/18
v&b
0
対談集。読み応え充分。中級者向けか。2008/10/22