感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ohe Hiroyuki
3
20世紀末に書かれた本であり、概ねここ300年くらいのイギリス近代史となっている▼「君臨すれども統治せず」とは言われるが、これは「建前」であって、本当に憲制が挑戦を受けるような場面においては、何等かの権限を能動的に発揮しうることを本書は示唆している。▼イギリス国王の立ち位置は、常に変動しながら今日まで来ているとの印象を強く受ける。特に国王と首相の関係は、なかなかセンシティブである。紆余曲折を経ながら、立憲君主政を維持してきたイギリスには、伝統の力を感じるところである。▼我が国の国制を考えるに有益な本である2022/06/22