内容説明
ディドロを主とする百科全書派を代表に啓蒙の世紀と称される西欧の18世紀は、従来の伝統的思想や宗教的権威と対決し、各分野に多様で斬新な観念を生みだした。ドイツ文化の研究者である著者が専門領域を越えて、言語文化における独仏の交流を中心に18世紀西欧の精神の展開を追求する。
目次
序文 研究の二つの視点―文化交流と起源の探求
第1章 オランダにおけるピエール・ベール―文化の媒介作用
第2章 十八世紀ドイツ古典詩学の形式と発展―虚構と想像
第3章 レッシングとディドロ―十八世紀の象徴的表現
第4章 ディドロの対話作品『ダランベールの夢』の一考察―認識のメタファー
第5章 ゲーテのディドロ批判―ディドロの絵画論とゲーテの古典主義
第6章 モーペルテュイの「言語起源論」とベルリン・アカデミー
第7章 『詩と真実』―自伝と文化史
第8章 「ファウスト」はどう読まれてきたか―伝説と文学