イギリスのミドリング・ソート―中流層をとおしてみた近世社会

イギリスのミドリング・ソート―中流層をとおしてみた近世社会

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  • サイズ A5判/ページ数 278,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784812298343
  • NDC分類 233.05
  • Cコード C3022

内容説明

七本の論文が収められた本書では、近世イングランド社会(16~18世紀)の分析にあたり、三分法の立場にたって、同時代人がmiddling sort(本訳書では「中流層」という訳語を用いた)として認識していた人びとに対する、多彩な角度からのアプローチが試みられている。中産階級なるものがイングランド(イギリス)社会で成立するのは、産業革命後の19世紀になってからのことであって、それ以前、すなわち近世イングランド社会は、エリート民衆、あるいはジェントルマンとノン・ジェントルマン、あるいは富める者と貧しき者というように、基本的に二分法によって分析すべきだとする立場たとえば近世において階級と呼べるのはジェントルマン階級だけであって、ノン・ジェントルマンはジェントルマンの家父長的支配のもとでおよそばらばらの存在にすぎなかったとするピーター・ラスレットの一階級社会論や、民衆文化の自律性ならびに民衆文化とエリート(ジェントルマン)文化の相互作用を強調するE・P・トムソンの議論―への批判が、この論文集の基本的スタンスである。

目次

第1章 テューダー・ステュアート朝イングランドにおける「人びとの類い」
第2章 従弟制度、社会的流動性、中流層、1550‐1800年
第3章 ブルジョワ集団主義?―都市の結社と中流層
第4章 16世紀末から17世紀初にかけての専門職、イデオロギー、中流層
第5章 ロンドンにおける中流層
第6章 18世紀における政治と中流層
第7章 18世紀コルチェスタにおける中流層―自立・社会関係・まちの顔役