内容説明
遊牧民を移住させ緑の大地を取り戻そう!中国政府が打ち出した国家的プロジェクトは本当に環境問題の解決につながるのか?そして人びとの生活はどうなったのか?その実態を問う。
目次
中国西部辺境と「生態移民」
1 生態的側面を問う―「生態移民」は環境保全を果たせるか?(黒河流域における「生態移民」の始まり;「生態移民」による地下水資源の危機;「生態移民」による新たな草原開拓;「生態移民」に頼らない森の再生)
2 経済的側面を問う―「生態移民」は貧困削減を果たせるか?(「生態移民」による貧困のメカニズム;「生態移民」による貧困削減の効果1;「生態移民」による貧困削減の効果2;「生態移民」における移住の任意性)
3 文化的側面を問う―「生態移民」はいかなる文化変容をもたらすか?(「生態移民」における住民の文化的受容;「生態移民」をめぐる住民の自然認識;「生態移民政策」にかかわる当事者の認識差異)
地球環境問題と「生態移民」
著者等紹介
小長谷有紀[コナガヤユキ]
国立民族学博物館教授。バックグラウンド:地理学、文化人類学
シンジルト[シンジルト]
日本学術振興会外国人特別研究員。バックグラウンド:文化人類学、中国西部地域研究
中尾正義[ナカオマサヨシ]
総合地球環境学研究所教授。バックグラウンド:氷河気候学、雪氷水文学
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