内容説明
豊饒の海と謳われた有明海の自然は、諌早湾潮受堤防の締め切りによって、どう変化したのか?半世紀にわたり日本の海を見続けてきた海洋学者が、潮の減衰、環境の崩壊、漁業の衰退の実態と原因を、これまでに蓄積されたデータをもとに明らかにしている。
目次
有明海異変
潮汐と干潟が日本一発達した有明海の自然
宝の海であった有明海
諌早湾干拓事業とは
観測事実が示す諌早湾干拓事業による有明海崩壊の要因
有明海の漁師が肌で感じたこと
諌早湾干拓事業以前に有明海の体力低下を招いた要因
諌早湾干拓事業が有明海の生きものと漁業に与えた影響
有明海再生の第一歩は水門開放から
合理性に欠ける農林水産省の開門調査拒否の根拠〔ほか〕
著者等紹介
宇野木早苗[ウノキサナエ]
1924年生まれ。気象技術官養成所(現気象大学校)研究科卒業。理学博士。日本海洋学会名誉会員。気象庁を経て東海大学海洋学部教授、理化学研究所主任研究員を歴任。研究面では、沿岸海域の物理現象の研究を進め、台風波浪の研究で運輸大臣賞、高潮の研究で日本気象学会藤原賞、沿岸海洋物理学の研究で日本海洋学会賞を受ける。最近は沿岸開発事業が海洋環境に与える影響を調べて、問題点を明らかにしてきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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