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内容説明
〈聖なるもの〉への怖れと魅惑の根源を求めて禁止と侵犯の理論構築をくわだて、祭り・性・遊び・戦争など共同体の熱狂に関する数多くの人類学的資料に新たな光をあて人間の本質に迫る、若きカイヨワの知的冒険の書。
目次
第1章 聖なるものと俗なるものとの一般的関係
第2章 聖なるものの両義性
第3章 尊敬による聖なるもの―禁止の理論
第4章 侵犯による聖なるもの―祭りの理論
第5章 生の条件と死の入口としての聖なるもの
付論(性と聖なるもの;遊びと聖なるもの;戦争と聖なるもの)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
彩菜
16
著者は「聖なるもの」を社会と自然が照応関係にあった世界観の下に繙きます。それは社会を区分し秩序を創る。聖と俗、王と民、部族を作る二つの胞族。この区分は人々の内で天と地、火と水…様々な宇宙の二分割・秩序に照応されます。社会は自然を映す、大宇宙を映す小宇宙なのです、秩序を破れば宇宙は原初のカオスに還るでしょう(逆に星の不審な動きは社会の異変)。だから人は秩序を維持し、世界を維持し、定期的に若返らせる。祭です。祭とはあらゆる秩序の破壊によって創造時代カオスを模倣し世界を再生する事、同時に社会は熱狂で再団結され→2021/02/14
kapo54
4
聖なるものと俗なるものの関係を考察する。また聖なるものはそれ自体、両義的で、良いものと悪いものとがある。補論は聖なるものと、性、遊び、戦争との関係。ホイジンガの議論をしのいでいると思う。2017/12/15