個人空間の誕生―食卓・家屋・劇場・世界

個人空間の誕生―食卓・家屋・劇場・世界

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  • サイズ B6判/ページ数 308p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784796701747
  • NDC分類 230.5
  • Cコード C1025

内容説明

大騒ぎの粗野な食事から、用途別の食器とテーブルマナーが確立した食事へ。広間での雑居状態から、個室への引きこもりへ。観客と役者の一体化した劇から、純粋に見る劇へ。このような変化が近代の始まりとともにほぼ同時に起こったのである。変化の時期は、ヨーロッパにおいてテーブルマナーの影響が大きくなったのが16世紀、家族が個室へと引きこもり始めたのが16世紀末であり、劇が世俗化し観客と役者が完全に分離したのは17世紀、音や香りよりも視覚が重視されるようになったのも16世紀終り頃である。16世紀末以来のこうした空間の個別化にともない、ヨーロッパ近代人が誕生したのだ。それは、自分の食器で食べ、入門書によりさまざまなマナーを身につけ、私室で眠り、舞台上の人物の苦悩を眺め、風景を鑑賞し、本を黙読する人間の誕生だったのである。

目次

全体(分節化・意識・自己;結合体)
部分(飲食とマナー;家屋と家庭;劇場と社会;環境と視覚)
自己(自己と再構成された全体)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぷほは

1
イーフーが仏の社会史家や独の観念史家や英の文化史家に勝てるとすれば、専攻である地理学的知識か、もしくは中国に関する知識になるのではないか。それにしては本書は地理学的な側面はほぼなく、中国に関する食卓や個人主義のお話は出てきはするが、あくまで比較対象として述べられるに過ぎず、劇場の章では驚くことに、京劇や中国都市論の話は全くない。図版も多くて頁数も少なく、文体も読みやすいしデータもそれなりにあり、結論も飛躍のないものではあるが、それは果たしてあなたが書かなければならなかったものですか、と問いかけたくもなる。2017/08/17

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