内容説明
イエスの時代を解明する鍵としてセンセーションをまき起こし、近年ようやく全巻公開されたテクストを、精緻に吟味し、その謎に包まれた全貌を犀利にときあかした、定評ある最新の研究。
目次
第１章 諸発見
第２章 写本概観
第３章 クムラン・グループとは？
第４章 クムランのエッセネ派
第５章 巻物と旧約聖書
第６章 巻物と新約聖書
第７章 死海の巻物論争
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AICHAN
22
図書館本。UFO研究家が書いたオカルト趣味的な『「死海文書」封印の真実』を読んで、死海文書に関するまともな著作を読みたいと思ってこれを借りた。これはまともな本だった（笑）。しかし、この文書がなぜ注目されるのか、どう大事なのかが、いまいちよくわからなかった。できれば、解読された死海文書の主なところを引用し聖書や福音書と照らし合わせて、ここが違うとかここは仏典の影響を受けているとかというふうに記述してほしかった。そうすれば、聖書の成立過程を明らかにする貴重な資料だということを素人にもうまく説明できたと思う。2016/10/17
Porco
0
死海文書というとエヴァンゲリオンを思い出してしまいますが、本書の発刊が1995年なので、ちょうどそのテレビ放送の時期です。訳者はオウム真理教による地下鉄サリン事件のニュースを聞いて、死海文書を書いた集団を思い浮かべたそうです。この人たちは、ユダヤ教徒の異端派みたいなものだったみたいですね。2014/03/13
iquot
0
死海文書に関する本では、トンデモな本もあるらしい中、まず本書に出会えたことは幸甚であったと思う。ルカにならい、文書の発見から本書執筆当時までを「順序正しく書いて」、かつ死海文書の内容の概観や旧約聖書、及び新約聖書との関連がどの程度あるか・ないか、一般人向けに丁寧に書かれている。クムランの死海文書はおそらくエッセネ派の一部の人々に関係があり、主に旧約聖書に関わって、後のキリスト教にも見られる終末論などが含まれる。センセーショナルな内容を持つ本の面白さはないが、誠実に書かれた入門として適した基本文献と思う。2018/07/10
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