内容説明
過去の歴史的な地層のなかに〈根〉をもつわれわれの時代の、われわれの内なる狂気を、歴史精神病理学や柳田民俗学の方法を縦横に駆使して探索し、現代人の精神の病巣の根源に照明をあてる画期的な試み。
目次
狂気と犯罪(遁世と蒸発の病理;能における〈狂乱〉の構造;おしらさまと性禁忌;薬物の比較文化史;太郎冠者と葦原将軍;死と往生の現象学;若者たちと自家用車文化;行基菩薩と山口組;知恵遅れと未来学;英才教育と天才;物狂いを見て座禅を恨む心を怖るべし;憑きもの盛衰記)
性・犯罪・狂気(倒錯の世界;愛と死の犯罪)
信仰と狂気(幻覚と宗教病理;信仰と精神医学的人間像)
日常の狂気(感覚遮断と心的世界;まなざしの比較文化;不養生のすすめ;〈優しさの世代〉と異常心理;漫画の深層;若者と新宗教)