出版社内容情報
「死は変容ですらないかもしれない……死は形の不在への移行なのです」。老い、信仰、安楽死、暴力……「死を背負った存在」の永遠のテーマに深い哲学の光をあて、その逆光のなかに生きる意味を浮かびあがらせる静かで力強い対談集。
編者まえがき
1 取り消しえないこと
2 死の省察
3 安楽死について
4 身体・暴力・死
訳者あとがき
内容説明
あらかじめ経験不能な死。老い・信仰・安楽死・暴力…。『死を背負った存在』の永遠のテーマに哲学の光をあて、その逆光のなかに生の意味を浮かびあがらせる対談集。
目次
第1章 取り消しえないこと
第2章 死の省察
第3章 安楽死について
第4章 身体・暴力・死
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
7ember
5
有名な死と人称の話はほとんど語られておらず、これだけ読んで分かったことに、という下心には応えてくれない。哲学的な問題として死に向き合うことを目指しているようで、その過程で米欧の先進資本主義圏での死の周縁化と、土俗的な死者供養の在り方を共にしりぞけているように読めるのが、ちょっと違和感があった。むしろ一緒くたにされている2つのモードの違いの方が重要で、死に対する考え方が哲学的かとか、思想として洗練されているかといったことを気にするのは、近代的な姿勢から派生したささやかな分派に過ぎないと思う。2023/11/22
月
3
我々の思考は、つねに言語の向こうか、その手前、言語にかからないところ、言語とは別のところにしかない。言語は思考を表す妨げであるが、妨げられているがゆえに表現する(表現できる)。表現の手段は表現の障碍でもあるが、それは私たちが人間だからでもある。2021/10/03
とみた
2
死を一人称、二人称、三人称に分ける哲学者ジャンケレヴィッチの対談集。三章の安楽死は哲学の問題になりえない、アプリオリに存在する不死の病などというものはない、という話が面白かった。2014/02/28
かとう あき
0
死とは何か?ーー何ものでもなく、無であるしかし、それは有のための無であり、反射的に働くが、神秘としている理由は有、つまり生の流動性を認めているからなのだろう。それも神秘なんだと思う。2014/12/01