内容説明
「みずからの幻視にしか従わない、謎の人」クロソウスキーの著作・絵画作品の秘密に迫り、生涯にわたる創作活動を跡づける。
目次
１ 謎の支配のもとに（「取り替えの利かぬ底」；謎の種類 ほか）
２ 幻視の優位性（映像の地位；模造について ほか）
３ パトスの経済（オイコノミアの概念；独自性 ほか）
４ 修辞法と文体論（紋章の記述行為；裏舞台の絵画 ほか）
感想・レビュー
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Bevel
6
欲動とは主体を支配するものであり、そのうちでは身振りや行為や言葉はその「はけ口」として働く。欲動に従う「実験的な放蕩」は、「行為の中に正当化を見いだし、その実行のなかに実証を見いだす実践」であり、精神的な方法、瞑想である。結果、「自我の前にはさまざまな啓示が開示され、えも言われぬもろもろの享楽をもたらさ」れる。このようなイメージを自分に投影する人にはあまり近づきたくないなと思った。周りの人はよくわからないうちにはけ口にされ、それに対して本人はえも言われぬもろもろの享楽を得ながら自己正当化をするのだろう。2014/06/19
