内容説明
革命家か神学者か。ルターの同調者として宗教改革史に登場しながら、やがて急進的な社会改革者・革命家として農民戦争の指導者となり、悲劇的な結末を迎えたトーマス・ミュンツァー。彼は革命家か、それとも神の僕か。しばしば対立する解釈の中で、著者はミュンツァーにおける神秘主義思想と黙示録的終末期待と社会実践を一体のものとして捉え、今日の史料的状況が許すかぎり最もバランスのとれた、説得力のあるミュンツァー像を呈示する。
目次
第１章 歪められた姿
第２章 時代の転換
第３章 消された足跡
第４章 宗教改革者たちの陣営で
第５章 初期の運動
第６章 独自の宣言
第７章 「私の追放の惨状の中で」
第８章 司牧と政治的文通
第９章 諸侯、民衆、抵抗
第１０章 最後の対決
第１１章 「永久同盟」と「永久市参事会」
第１２章 虹の下での戦い
第１３章 神秘主義者、黙示録的終末預言者、革命家
第１４章 中断、されど完成
