内容説明
命を懸けたサムライの真実とは?四十七士、「葉隠武士」、維新の志士たちを駆りたてた情念の秘密を解き明かす衝撃の日本社会論。
目次
1 社会学的アプローチ
2 サムライの起源と暴力
3 解体と再編成
4 徳川国家形成の逆説的特質
5 名誉と暴力の変容
6 臣下官僚制における名誉の分極化
7 名誉型個人主義と名誉型集団主義
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
東城
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一読して労作とわかる出来。武士階級の持つ倫理のを一連の流れとしてまとめ上げている。ただ、近世江戸時代の武士道についてはその一面にこだわりすぎの感もある。特に江戸時代での身分社会の絶対化や、主君を変えることを良しとしない思想は間違ってはいないものの、当時の多様な武家思想の一つに過ぎないのであって、現に武士階級以外や下級武士から官僚社会で立身した者も存在するし、献策が入れなければ主人の元を辞すべきといった思想も存在した。同時に市井の浪人や軍学者(山鹿素行も含まれる)への注視もあって良かったのではないかと思う。2016/08/14