出版社内容情報
赤松民俗学のもうひとつの柱である、民族史・古代史に関する論考を収めた、いわば赤松民俗学選集の完結巻。赤松初めての単行本、「東洋古代史講話」を所収。古代史についての論考を集めた「第一部・古代史論」と赤松の民族史・古代史の総論ともいうべき、考古学的研究に基づく東アジア古代史の「第二部・東洋古代史講話」は、天皇制ファシズムの最盛期に、天皇制の科学的解明を目的とした赤松が、その絶対的権威を科学的に剥ぎとろうとして書いたもの。文化圏論的人類学に拠った民族史と考古学的成果を利用したマルクス主義的社会構成史が見事に融合した成果がここにある。
第1部 古代史論
東播の古代社会状勢概観
竪穴式高塚期の文化階梯―播磨加古川流域の研究
古代に於ける日鮮の交渉
古代聚落の形成と発展過程―播磨加古川流域の研究
播磨における初期仏教文化
播磨国分寺
日本神話の本質
天皇制起源の一考察―母系継承から父系相続へ
第2部 『東洋古代史講話』
第1章 東亜洪積世社会史
第2章 東亜種族構成史
第3章 東亜古代文化史
第4章 東亜古代社会史
第5章 東亜古代社会の特質
目次
第1部 古代史論(東播の古代社会状勢概観;竪穴式高塚期の文化階梯―播磨加古川流域の研究;古代に於ける日鮮の交渉;古代聚落の形成と発展過程―播磨加古川流域の研究;播磨における初期仏教文化 ほか)
第2部 『東洋古代史講話』(東亜洪積世社会史;東亜種族構成史;東亜古代文化史;東亜古代社会史;東亜古代社会の特質)
著者等紹介
赤松啓介[アカマツケイスケ]
本名栗山一夫。赤松啓介は筆名のうちのひとつ。民俗学者・考古学者。1909年(明治42)3月4日、兵庫県加西郡下里村(現、加西市)生まれ。30年代から社会運動に従事しつつ、民俗学・考古学の著書・論考を発表。39年(昭和14)唯物論研究会事件で検挙。戦後、49年(昭和24)民主主義科学者協会神戸支部局長、57年(昭和32)神戸市史編集委員、68年(昭和43)神戸市埋蔵文化財調査嘱託。2000年(平成12)3月26日死去
岩田重則[イワタシゲノリ]
1961年静岡県生まれ。1994年早稲田大学大学院文学研究科史学(日本史)専攻博士後期課程退学。現在、東京学芸大学助教授
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