世界人権問題叢書<br> シベリア捕虜収容所

世界人権問題叢書
シベリア捕虜収容所

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  • サイズ B6判/ページ数 496p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750311807
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C0336

出版社内容情報

60万もの人間が数年にわたり,長くは10年以上もの間,飢餓と酷寒の環境下に重労働を強いられた「シベリア抑留」。捕虜虐待の実態,戦争の悲惨と罪悪をあますところなく描ききった21世紀に語りつぐ名著。

塚も動け,同世代の鎮魂歌―まえがき
シベリアヘ送られた六〇万の日本兵―プロローグ
1部 シベリア捕虜収容所
2部 思想改造とダモイ(帰国)
3部 「受刑者」と日本人の問題
「シベリアの悲劇」を生んだもの―エピローグ

内容説明

240万の青年の血を流し、内外にその数倍を超える犠牲者を出した今次大戦は、日本民族としては決して忘れてはならない、おそらくは、日本史上最大の事件ではないかと思われる。とりわけ、60万の将兵が数年間にわたり、長きは10年以上もの期間―しかも世界が平和に帰したのち、酷寒と飢餓の下に重労働と思想教育を強制され、その一割余がのたれ死にした「シベリア抑留」は、戦争の被害の中でも長く記憶すべき重要な事項の一つであろう。著者は、ソ連に対する恨みをいつまでも持ち続けるべきだ、というような偏狭なナショナリズムを主張しているのではない。隣りの大国ロシアとの友好関係を保っていかなければならないのは、日本国としては当然のことである。ただ強調したいのは、この問題を正確に認識することにより、一つの主義思想を信奉する国の恐ろしさと、そしてまた、極限状況におかれた兵士たち、一触即発の米ソ間のはざまにゆらいだ“文化人”、そういった立場の日本人がいかに振舞ったかということは、決して過ぎ去った昔の話ではなく、まさに、現在および将来の日本にとって、極めて重大な問題であるはずだ、ということである。

目次

1部 シベリア捕虜収容所(強制労働収容所群島;「働く動物」として;労働・ノルマ・酷使 ほか)
2部 思想改造とダモイ(帰国)(「民主運動」の発生と「日本新聞」;吹きすさぶ「民主運動の嵐」;帰ってきた短期抑留者たち ほか)
3部 「受刑者」と日本人の問題(取り調べと裁判の実態;「受刑者」たちの運命;幽囚10年の後に ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

印度 洋一郎

8
シベリア抑留で知られる、敗戦後の日本軍が収容されたソ連の捕虜収容所について、包括的に記述した貴重な一冊。抑留された兵士の体験記は多いものの、その収容所の組織や、日本兵の抑留、労働、帰国までの一連の流れを詳細に解説している、このような本は少ない。極寒、飢餓、過酷な労働ノルマ、そして悪名高い民主化運動など、恐るべき内容で、ソ連という国家、共産主義という思想に嫌悪感がいや増す。特に民主化運動の残した傷は大きく、日本人同士で疑心暗鬼になり、いがみ合い、帰国後の社会復帰も困難なものにした。ソ連はどこまでも悪辣だった2021/12/19

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