内容説明
フランス七月革命後のヨーロッパ国際政治に、会議外交を通じて平和の時代を構築したパーマストン英外相。彼が築き上げた会議外交とは、どのようなものであったのか。それは、どのような背景から生まれ、どのようにして定着していったのか。外交とは何か、平和とは何か。「砲艦外交」として知られる強硬姿勢の半面でパーマストンは、「イギリスには永遠の同盟国もなければ、永遠の敵対国もない」と語りつつ、会議を通じ列強とねばり強く外交交渉を重ねていた。イギリス流自由主義と道徳主義の伝統に裏打ちされた、パーマストン外交の特質を明らかにする。
目次
序章 会議外交の始まりとパーマストンの登場
第1章 会議外交の形成―ベルギー独立問題とロンドン会議
第2章 会議外交の絶頂期―東方問題とパーマストンの勝利
第3章 革命の嵐と会議外交の復活―一八四八年革命とデンマーク問題
第4章 クリミア戦争と会議外交の変容
第5章 会議外交の終焉とパーマストンの死
終章 パーマストン外交とは何だったのか
著者等紹介
君塚直隆[キミズカナオタカ]
1967年、東京都に生まれる。1990年、立教大学文学部史学科卒業。1993‐94年、英国オクスフォード大学セント・アントニーズ・コレッジ留学。1997年、上智大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程修了。神奈川県立外語短期大学助教授(イギリス政治外交史、ヨーロッパ国際政治史専攻)、博士(史学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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