内容説明
西洋の古代から中世への転換期に、ひとりの教会人が後世へのメッセージとして書き残した史書『歴史十書』。それは伝えられるようにフランク人の歴史を記すことを目的としていたのだろうか。語られる内容だけでなく、テクストの分節構造を手がかりに、著者グレゴリウスがこの史書に託した知られざる意図を解き明かしてゆこう。
目次
1 グレゴリウスの生涯と著作
2 『歴史十書』とは何か
3 テクスト構造と終末思想
4 沈黙のテクスト
5 『歴史十書』テクストの独自性
著者等紹介
佐藤彰一[サトウショウイチ]
1945年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、名古屋大学大学院文学研究科・高等研究院教授
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