出版社内容情報
〔モダニズム詩に隠されたロマンティシズム〕モダニズム派の中心人物のひとり安西冬衛の難解・妖艶なポエジー空間を綿密・周到な分析によって読み解く。詩人の全体像を示す。
目次
第1章 短詩と散文詩―「亜」を中心として
第2章 悪の美学―詩集『軍艦茉莉』の世界
第3章 地理的世界と言葉の難解性―詩集『亜細亜の鹹湖』
第4章 地理的ロマンティシズムの世界―詩集『渇ける神』
第5章 詩集『大学の留守』に見られる日本的なるもの
第6章 戦争詩の問題
第7章 詩集『韃靼海峡と蝶』とその周辺
第8章 詩人の孤高な栄光と悲惨の〈座〉―詩集『座せる闘牛士』
第9章 「春」(てふてふが一匹韃靼海峡を渡つて行つた。)について
第10章 詩誌「亜」35冊
第11章 大連時代の安西冬衛の周辺、その他
第12章 「詩と詩論」と「詩・現実」の分裂
第13章 「死語発掘人の手記」から「西班牙の証言」まで
第14章 稚拙感とコレスポンダンス
第15章 安西冬衛の詩史的位置と現代的意味