出版社内容情報
木塚 隆志[キヅカ タカシ]
著・文・その他
内容説明
十六世紀、宗教改革期のドイツにおいて、黙示録的な終末観は、消極的・受動的な歴史意識ないし改革意識に結びつくと同時に、また、教会と社会の変革を通じて、新しい時代を形成していこうとするような能動的な改革の姿勢と歴史の積極的な理解とに結びついていたと考えられるのである。黙示録的終末観とこういった歴史ないし改革に対する積極的・能動的な意識との結びつきを、本書では、強い終末意識を持ちながら、この時期のさまざまな社会運動に積極的に係わっていった急進的な宗教改革者、トーマス・ミュンツァーの黙示録的終末観ないし歴史解釈を中心として考察していく。そして、本書は、考察の対象を彼にもとめることで、また、黙示録的終末観とスピリチュアリスムスとの関係を中心的に問うことになる。というのも、彼はまた、この時期のスピリチュアリスムスの展開に深く係わった人物の一人であり、この思想材は明らかに彼の思想・活動を特徴づける中心的な要素の一つに他ならないからである。
目次
第1章 黙示録的終末観と宗教改革
第2章 スピリチュアリスムスと宗教改革
第3章 スピリチュアリスムスと説教者の使命
第4章 ミュンツァーにおける歴史解釈
第5章 黙示録的終末観と社会運動
第6章 C・シュヴェンクフェルトにおける黙示録的歴史解釈
著者等紹介
木塚隆志[キズカタカシ]
1961年生。東京大学大学院人文社会系研究科(宗教学宗教史学専攻)博士課程修了。文学博士。駿河台大学現代文化学部助教授。16世紀ドイツにおける宗教思想、特に黙示録的終末観ないし神秘主義思想の展開について研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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