フィロソフィア双書
批判と危機―市民的世界の病因論

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  • サイズ B6判/ページ数 324,/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784624020255
  • NDC分類 201.1
  • Cコード C0310

出版社内容情報

〔市民的世界の病因論のための一研究〕米ソ対立の国家の時代を背景に生み出された市民社会が世界の危機をもたらす啓蒙の必然性を歴史哲学的に批判した市民社会論の古典的名著。

目次

第1章 啓蒙主義の前提としての絶対主義の政治的構造(宗教的内乱の状況からの絶対主義国家の発生;ホッブズ、信条の複数化に対する理性の回答;宗教的混乱から主権概念を理性によって導出すること;ヴァッテル、国家間秩序の構造原理として政治から自然法的道徳を除外すること ほか)
第2章 絶対主義国家における彼らの状況に対する回答としての啓蒙主義者たちの自己理解(ロック、国家の外にある道徳的裁判権、市民階級と彼らの間接の政治的影響力にとってのその本質的意義;フリーメイソンの秘密の防衛機能;間接的な暴力の展開、フリーメイソンの秘密の統合的機能;批判の過程、市民的批判の前提および遂行としての道徳と政治の分離 ほか)
第3章 批判と歴史哲学(革命前期ドイツにおける進歩の哲学と革命予言学、政治的前衛の形成;間接的に政治的な権力としての歴史哲学;チュルゴー、フランスにおける危機的状況の認識;政治的絶対主義に対する回答としての道徳的全体性;知識人共和国の国家への拡大;二元論的な強制的予言;危機の尖鋭化としての隠蔽;裁判としての歴史、批判と歴史哲学の統一 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

singoito2

8
リクールきっかけ。フリーメイソン、啓蒙団、歴史哲学、進歩への信仰などの登場人物を配してフランス革命に至る18世紀独仏の危機を論じている。ただし、視野に入るのは当時のエリート層ばかりで歴史物語としてはともかく、確からしさでは眉唾。道徳が政治を指導できるとする啓蒙思想こそ「市民的社会の病因」と言いたいらしく、終わりのほうはくどいほど、その主張を繰り返している。緊急事態条項の必要を訴える人たちと同じような、政治的な虚無主義のにおいを強く感じました。さすがナチス協力者K.シュミットのお弟子さんです。2023/04/01

ぷほは

6
ハーバーマスが敵対者として選んだだけあり、明快ではあるがそれなりに込み入った概念連関を手際よく教科書レベルの知識と繋げて論じる。また思想財という対象と議論そのものの距離感が一貫している。ベンヤミンが『複製技術時代の芸術作品』でナチス将校の「戦争は美しい」という演説を「弁証法的理論家が受けて立つに値する」と紹介していたのと同じ。気になったのはこの本自体が弁証法的で歴史哲学的な反転図式を多用することだが、ヨーロッパ人の近代史とはそんなものだろう。ホッブズのヤバさ、ロックの切れ味、そしてルソーの無邪気な偏屈さ。2018/03/17

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