津田真道全集

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  • サイズ A5判/ページ数 2冊/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622035077
  • NDC分類 081.6
  • Cコード C3031

出版社内容情報

                           
■津田真道とはいかなる人か
津田真道(つだ・まみち)は文政12(1829)年、現在の岡山県津山市に生まれる。江戸に出て蘭学を学び、幕府の留学生としてオランダに留学、西周とともにライデン大学教授フィッセリングに国法学・国際法・経済学・統計学を学ぶ。帰国後、開成所教授職となり、幕府を中心にした日本最初の憲法草案「日本国総制度」をつくる。明治政府のもとで、これも最初の刑法「新律綱領」の編纂に参画、元老院議官、初代衆議院副議長などに任じられる。この間、明六社に加わり、東京学士院を創立するなど、多彩な啓蒙活動を展開した。

■本全集の内容と特色
上巻には、壮年の「性理論」から大作『泰西国法論』(フィッセリングの講義の訳・明治元年刊)をはじめ、統計学の最初の紹介「表記提要」、自由貿易論者の側面を示す「西洋商人手引草」、その他の学術書、意見書類、および『明六雑誌』掲載の論説、講演、文集『如是我観』等をまとめる。
下巻には、唯物論的合理主義思想を展開する「唯物論」、『元老院会議筆録』から津田の発言を抜粋したほか、歌文稿、書簡その他、伝記資料、年譜を掲げた。74篇の著書・論文、古典・国学の素養を示す紀行・歌文、書簡を遺漏ないよう収録。
とくに近代の社会科学の輸入者として、西洋の学術用語をいかに日本語に定着させるか、彼の苦闘のあとを示すため、いくつかの自筆稿本を影印で収めたのは、本全集の非常な特色である。

■本全集刊行の意義
津田真道の総合的研究が昭和17年に帝国学士院の助成を受けて編者の大久保利謙により始められて以来、国会図書館、津山洋学資料館、日蘭学会等の協力を得て、日蘭修好400年の翌2001年に、津田全集の刊行がようやく実現する。これは幕末維新期の近代文化、学問の形成資料であり、学術研究にとって、その最大の欠を補う壮挙である。

A5判上製セット函入り/総700頁
全2巻 揃本体価格48000円(分売不可)/限定300セット(活版印刷)

内容説明

幕府留学生として、国法学・国際法・経済学を体系的に輸入した人、最初の日本国憲法草案を作った人、その学的遺産、その人の全貌を示す初の全集。日蘭修交4世紀、着手より半世紀、遂に完成。

目次

上巻(蕃書調所・洋書調所時代;オランダ留学時代;幕末維新時代;明六社時代)
下巻(東京学士会院時代;雑纂;紀行文;歌集;履歴書;書簡;蘭文書簡)

著者等紹介

大久保利謙[オオクボトシアキ]
1900年東京に生まれる。名古屋大学教授、立教大学教授など歴任、国立国会図書館憲政資料室創設に関わり、長く客員調査員をつとめる。1995年没

桑原伸介[クワハラノブスケ]
1918年福岡に生まれる。元国立国会図書館憲政資料室、津田真道全集刊行会

川崎勝[カワサキマサル]
1942年東京に生まれる。南山大学教授
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