出版社内容情報
世界を認識するとは？ アナル派の泰斗ブローデルがダイナミックに説くリセのための世界史講義。
内容説明
本書は、リセの最終学年で学ぶ学生を対象として、アナール派の泰斗フェルナン・ブローデルによって書かれ歿後刊行された世界歴史の教科書である。世界歴史の実際に即しながら、ダイナミックに、またしなやかに歴史を見つめる眼差しと、諸文明をとりまく自然環境、またその文明を作り上げた人類の世界観を透徹して認識する方法論を呈示する。教科書という枠をこえた本書は、ブローデルによるブローデル入門ともいえる。
目次
１ 文明の文法
２ 非ヨーロッパ文明（イスラム教とイスラム世界；暗黒大陸；極東）
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
6
本書は1960年代に他の著者とともに編まれたリセの教科書を、著者の死後、著者執筆部分を合わせて刊行されたという。リセの最終学年用とあり、時系列的な歴史を学んだ後、歴史概念の批判検討の力の養成を目的に編まれたようだ。過去の歴史家の文明の定義の変遷から始まる著者は、文明の経済的な連続性を強調し、その交流の動きから空間の変動として歴史を世界に広げていく。本巻では、「世界」を国単位ではなく文明単位で各大陸に大まかに分割し、物質世界と人の交流において非ヨーロッパ圏の空間の歴史(イスラム、アフリカ、極東)を概観する。2020/06/16
