内容説明
いま、「日本の太鼓」が熱い注目を浴びている。しかし、意外なことに「太鼓音楽」の成立は、実はごくごく最近の出来事なのだ。神を呼ぶ「呪具」として機能してきた民俗の太鼓。それを芸能の型にまで昇華させた伝統の太鼓。そして、近年飛躍的に進展するニューウェーブの太鼓音楽。熱い、楽しい、奥深い。「日本の太鼓」の魅力を一からとことん解説する、はじめての入門書。
目次
第1章 太鼓という楽器(胴には二つのタイプがある;革の素材と留め方 ほか)
第2章 太鼓の打法(表現系統は二つ、打法の基本は三つ;太鼓踊りのさまざま)
第3章 太鼓の民俗(樹木には霊が宿る;稲作民俗行事と太鼓 ほか)
第4章 古典芸能と太鼓(歌舞伎と相撲の太鼓;能の四拍子 ほか)
第5章 太鼓音楽の誕生と発展(太鼓音楽の誕生;民俗芸能のイベント化とともに ほか)
著者等紹介
茂木仁史[モギヒトシ]
1957年東京都生まれ。青山学院大学文学部日本文学科卒業後、国立劇場(日本芸術文化振興会)に勤務。芸能部で「日本の太鼓」などの民俗芸能や、雅楽、声明公演の企画・制作・演出を手がける。現在、同振興会基金部地域文化助成課文化財係長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
恐怖のぬいぐるみ
0
「日本の宗教と芸能演習」レポートに非常に重宝した。和太鼓に新たな気持ちで向き合うきっかけになった本
Skeltia_vergber
0
太鼓そのものから、民俗学的背景である、祭礼行事や歌舞伎、能さらには現在の創作太鼓の流れとバランスがとれている内容でした。ただ、若干取材不足な点もあったり、余談が長すぎたり、印象論的な記述があったりするのも目立つ。もちろん当事者の語りや記述に依拠しているのが原因。もうちょっと対象を客観的にみる視座があってもよかったなぁ。ちなみにp58のエイサーの内容と写真はかなり食い違っている。2009/10/12