感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
zoros
9
『法顕は昔長安にいて、律蔵の欠けていることを嘆いていた。そこでついに弘始元年(西暦399年)に慧恵らと約束して、天竺に行き、戒律を求めることにした』 いきなりこう始まる。このとき法顕推定64歳。タクラマカン砂漠をこえ、パミール高原をこえて15年。共に旅立った友は留まり、亡くなりして、経典を携えてたった一人で帰ってくる。 玄奘より100年前のもの。河口慧海の旅行記もそうだが求法旅記っていうのは志の高さが作品にでていて本当に泣けるなあ。2019/04/09
Nemorální lid
5
『沙河中はしばしば悪鬼、熱風が現われ、これに遇えばみな死んで、一人も無事な者はない。空には飛ぶ鳥もなく、地には走る獣もいない。見渡すかぎり行路を求めようとしても拠り所がなく、ただ死人の枯骨を標識とするだけである』(p.9)という一文は流沙紀行の名文とされている。法顕の書物が西域求法僧における適切な手引書として愛用されただけでなく、『すぐれた紀行文学としても高い価値を有している』(解 p.227)のである。また宋雲行紀も収録されており、古代西域を知る上においては第一級の書物であることは全く変わりないだろう。2018/12/31
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