内容説明
東京都の公立中学と高校で社会科教師を三十余年。教えと学びの道を生徒とともに歩んだ元教師が、隣国への愛と敬いを支えに挑んだ三〇〇〇年の歴史。たくさんの物語と人物に当てたその光の向こうに朝鮮の美しく豊かな文化が、人びとの誠実と剛毅が、そして、この日本の明暗が見えてくる。きっと。
目次
１ 古朝鮮から三国へ
２ 高麗王国
３ 朝鮮王朝
４ 苦難の「近代化」
５ 統一へのねがい
著者等紹介
岡百合子［オカユリコ］
１９３１年、東京都生まれ。お茶の水女子大学史学科卒業。１９５４年から８６年まで東京都の公立中学と高校の社会科教師を務める。夫は作家の高史明氏。朝鮮史研究会会員、歴史教育者協議会会員
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感想・レビュー
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ホシ
8
中高生はとうの昔のことだが、大変勉強になる一冊。そして、隣国に対する自分の無知を改めて思い知らされた。朝鮮半島の歴史は「翻弄」の一言に尽きる。古くは漢・唐・女真・契丹・蒙古、そして日本に始まり、近代以降は欧米列強の介入も。これらの国々の間で翻弄されながらも、自民族の誇りを守ってきた朝鮮民族の姿が新鮮だった。他国を安易に哀れむのは慎むべきだが、読後は本当に南北が統一してほしいと思った。この地域に真の平穏が訪れることを願ってやまない。2016/12/13
taka61
7
北方先生のおかげ(笑)で中国史には興味がありましたが、隣国の韓国・朝鮮の歴史はほとんど知識がありませんでした。古代史・中世史もわかりやすかったのですが、近・現代代史では日本の若者に朝鮮のことを伝えたいという作者さんの「熱い」想いがひしひしと伝わって来ました。あとがきにもあるように、朝鮮史は島国の日本とは比べ物にならない侵略被害の連続です。そして「秀吉の朝鮮侵略」「韓国併合」の史実を韓国・朝鮮側から見た時、日本人としてかなり衝撃を受けました。様々な歴史的事実を踏まえ、互いに理解しあえる日が来ることを願います2013/03/29
刳森伸一
3
古代から現代にかけての朝鮮半島の歴史。日本の中高生向けのため読みやすいが、その反面 「物語性」が強過ぎて歴史の複雑さが見えにくくなっているように思える。とはいえ日本の過去の非道な行為をストレートに描いているのは良い。2018/04/30
Kei
2
朝鮮の人民の歴史がこれほどまでに内外勢力の蹂躙、そしてそれに対する抵抗にあふれているとは思っていなかった。僕の中の朝鮮人民に対する認識が大きく変わったと思う。中学・高校の教師だった方が書いたもので、かなり読み易い。大人も読むべし。2013/07/27
amanon
2
ひょんなことから朝鮮・韓国について興味を持った矢先、近くの図書館で目に止まって早速借りたのがこの本だった。中高生のためと銘打っているだけあって、すこぶる読みやすいというだけではなく、幾多の困難にもめげず民族の統一と独立を守り抜こうとする朝鮮半島に住む人々の姿が生き生きと描かれている文章にひきこまれて一気に読んでしまった。どれだけ史実に基づいているかという点で問題もあるかもしれないが、これも読者の問題意識を喚起するという意味で、「あり」なのではないかと思う。2009/01/09
