感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コカブ
1
19世紀末上海の色街を舞台にした群像劇。主人公らしき趙撲斎という人物は出てくるが、他にも登場人物が多いために趙撲斎の物語の比重は低い。原文がそうなのか訳文がそうなのか、物語は淡々と進んで行く。当時は色街が社交の場となったので、重要な地位にある男が商談をまとめたりした。そういう場面が描かれているらしいが、数箇所に分れているために把握しづらい。むしろ男と女の化かし合いを読み取って行くのが普通の読み方かと思う。手玉に取ったつもりが手玉に取られたりと、運命の変転が激しい。これが淡々と描かれている。2013/04/07