土地の文明―地形とデータで日本の都市の謎を解く

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  • サイズ B6判/ページ数 275p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569643182
  • NDC分類 291.018
  • Cコード C0025

出版社内容情報

日本文明を考える上で無視できない一冊!

地形とデータにもとづいて、大阪の五・十日渋滞など国内11都市の謎を解き明かし、日本人と日本文明の本質を炙り出す野心作。

忠臣蔵は、徳川幕府の吉良家への復讐劇であった。地図を見るとそれがわかる。

▼まず、皇居すなわち江戸城の正門は、一般的には「裏門」であると言われている半蔵門である。江戸の古地図や、半蔵門周辺の地形を考えればそうとしか思えない。いっぽう赤穂浪士たちは、半蔵門周辺にまとまって潜伏していた。そこから見えてくる真実は……後は、本書を読んでいただきたい。

▼著者の竹村公太郎は、地形や気象、下部(インフラ構造)から、日本の各々の土地の謎を具体的に解き明かしてゆく。歴史文献だけでは決してたどり着けない真実、そして日本人と日本文明の本質があぶりだされる興奮の快著である。北海道、東京、鎌倉、新潟、京都、滋賀、奈良、大阪、神戸、広島、福岡、これらの土地について少しでも興味がある人、いや、日本に関心がある人なら、本書によって今までにない知的興奮を得ることができるだろう。特別編として、「遷都」「ソウル」の章も収録した。

●第1章 東京―徳川幕府100年の復讐(1)~検証・皇居の正門は半蔵門 
●第2章 東京―徳川幕府100年の復讐(2)~赤穂浪士の討ち入りはなぜ成功したか 
●第3章 東京―徳川幕府100年の復讐(3)~三河・矢作川の水争い 
●第4章 北海道―2000年遅れた「弥生時代」の到来~自由の大地が日本を救う 
●第5章 鎌倉―なぜ、頼朝は鎌倉に幕府を開いたか~権力が権威と分かれた時 
●第6章 新潟―田植えは胸まで浸かるもの~幻の映像を求めて 
●第7章 京都・滋賀―都市繁栄の絶対条件~人々が行き交うために 
●第8章 奈良―1000年の眠り~証明・交流軸と都市の盛衰 
●第9章 大阪―「5・10日」渋滞の謎を解く~商売の原点大阪 
●第10章 大阪―皮膚感覚の街~都市の原点大阪 
●第11章 神戸―都市の再開発が人々を救う~阪神淡路大震災の忘れ得ぬ遺産 
●第12章 広島―最後の狩猟民族~日本人のアイデンティティはこうして形成された 
●第13章 福岡―漂流する人々の終の列島~異常な巨大都市の誕生 
●第14章 特別編・遷都―首都移転が避けられない時~やらざるを得なかった2つの遷都 
●第15章 特別編・ソウル―目撃、文明の変換~清渓川の復元

内容説明

東京、大阪、京都…。11の土地の真実。土地の下部構造に着目し、その壮大な謎を解き明かす。

目次

東京 徳川幕府百年の復讐(検証・皇居の正門は半蔵門;赤穂浪士の討ち入りはなぜ成功したか;三河・矢作川の水争い)
北海道 二千年遅れた「弥生時代」の到来―自由の大地が日本を救う
鎌倉 なぜ頼朝は鎌倉に幕府を開いたか―権力が権威と分かれた時
新潟 田植えは胸まで浸かるもの―幻の映像を求めて
京都・滋賀 都市繁栄の絶対条件―人々が行き交うために
奈良 千年の眠り―証明・交流軸と都市の盛衰
大阪(「五・十日」渋滞の謎を解く―商売の原点大阪;皮膚感覚の街―都市の原点大阪)
神戸 都市の再開発が人々を救う―阪神淡路大震災の忘れ得ぬ遺産
広島 最後の狩猟民族―日本人のアイデンティティはこうして形成された
福岡 漂流する人々の終の列島―異常な巨大都市の誕生
特別編・遷都 首都移転が避けられない時―やらざるを得なかった二つの遷都
特別編・ソウル 目撃、文明の変換―清渓川の復元

著者等紹介

竹村公太郎[タケムラコウタロウ]
1945年生まれ。1970年東北大学工学部土木工学科修士課程修了。同年建設省入省。1999年河川局長。2002年国土交通省退官。現在、リバーフロント整備センター理事長。社会資本整備の論客として活躍する一方、2003年、『日本文明の謎を解く』(清流出版)を上梓。下部構造の視点から日本と世界の文明を論じ、注目を集める
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミッキー・ダック

26
著者は元建設省河川局長を務めた土木の専門家。日本の都市にまつわる歴史の疑問点を、地形・気象・インフラなどの視点から読み解いているのだが、これが実にユニークで面白い。例えば「天皇陛下が裏門のような半蔵門から外出された」所を見て疑問を抱き、とことん調べ上げて、それが皇居の正門であったことを突き止める。それが次の謎を生み、最後は「忠臣蔵が徳川幕府の復讐劇」であった事まで明らかにするといった具合。まるでミステリーを読むような感じ。いい疑問は幅広い知識から生まれる事、調べることの面白さを教えてくれる。 2015/07/04

χ

7
様々な都市の疑問を著者の仮説が縦横無尽に駆け巡る(意味不明)。半蔵門は正門ではないか、幕府は赤穂浪士を手助けしたのではないか、徳川と吉良の因縁など読んでて面白かった。まあ、トンデモ説/妄想だろうけど推論の進め方がスリリングでなかなかロジカルだ。学術書ではなくエッセイ。穴が散見されるけどこの姿勢は見習いたい2017/02/15

藤枝梅安

5
この本を買ったきっかけは、カバーの絵である。  絵、といっても江戸城周辺の古地図である。  そう、池波正太郎さんの本でよく使われるあの地図である。  帯には荒俣宏さんの推薦文。「愛知の矢作川と江戸城の半蔵門をつなげると「忠臣蔵」が見えてきたり!」  お、また忠臣蔵かぁ^^;2010/01/05

speaklow

3
勧められなければ読まなかった種類の本。こういう出会いは必要。思ってもみなかった視点を与えてくれた。2010/05/04

cdttdc

2
荒俣宏さんの対談本の中に竹村氏との話があり手に取る。これまで見聞きしてきた歴史的事実の背景には、地勢学的な理由が隠されているという説が非常に面白い。皇居の正門は、家康の命を助けた服部半蔵の名前を残し、いざという時に路を確保出来るという理由から、半蔵門という説。赤穂浪士の討ち入りには、家康と吉良家の因縁が裏にあること。鎌倉幕府が何故京都ではなかったのか、頼朝は島流しではなかったのこと、京都、滋賀、奈良が都として使われたこと、大阪人は5、10日に顔を見に行くから渋滞することなど、地勢学は深掘りすると面白い。2014/02/15

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