感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hepatica nobilis
6
情痴を極限まで描いたアナトール・フランスの傑作。聖人と言われるパフニュスの心理に肉迫し他を寄せつけない迫力。彼の内面の葛藤と偽善を容赦なく突き付ける。フランスは書斎の人であるだけではなく、したたかさを持った作家であることがわかる。せっかく入手しやすいのだから多くの人に読んでほしい。
sk
3
アナトール・フランスの佳品。信仰と肉欲をめぐる哲学小説。面白い。2019/10/22
ダージリン
3
ちょっと予想外の展開に話が進んでいった。世の中、正論と綺麗事だけでは上手くいかないし、正論も一皮めくれば、個人的な妄念に彩られている。どの立場から物を見るかによる価値の軽重の揺らぎや、宗教者の偽善性といった皮肉もあり、ちょっと怖さを感じさせるところがある。登場人物達のコントラストや、古代エジプトという舞台設定の巧さ、ストーリー展開は実に見事だと思う。2016/09/08
ワイルドローズ
3
外見だけでなく、心も美しかったというお話・・・2015/02/03
tekesuta
3
再読。うまくいえないけれども高尚なものといわゆる俗なものとか劣ったもの悪魔の仕業などとの対比に考えさせられる。聖アントニウスがポールに語らせた場面はちょっと感激した。2014/08/23