出版社内容情報
漢籍・経典の移入による思想・宗教・文化の形成過程を古代・中世・近世・近代の時代と多様な分野・視点から解析。東アジア文化圏、日本文化の形成過程を歴史的にたどった斯界の専門家によるユニークな研究を集成。
目次
序 東アジア文明論(「ブックロード」とは何か;ブックロードの検証方法)
第1部 日本文明の黎明期(平城遷都と法隆寺の道―天平十九年『法隆寺伽藍縁起并流記資財帳』を読む;石川年足薨伝と大安寺文化圏―『顕無辺仏土功徳経』奉請をめぐって ほか)
第2部 漢詩文の還流圏(天台聖教の還流―『参天台五台山記』を中心に;伝空海筆南院切『新撰類林抄』断簡 ほか)
第3部 和漢文学の融合(渤海使と遣唐使―平安朝文学とのかかわりから;平安文学に現れた美人像―白い肌と体型を中心に ほか)
第4部 東西文明のはざま(中国における日本関係図書について;近世における『天地瑞祥志』の利用と衰退 ほか)
著者等紹介
王勇[オウユウ]
浙江大学日本文化研究所所長、宮城学院女子大学客員教授。専門分野は古代中日文化交渉史
久保木秀夫[クボキヒデオ]
国文学研究資料館文献資料部助手。専門分野は中古中世散佚文献の研究・後期摂関時代和歌史の研究
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hyena_no_papa
4
400頁を超える大部。感想は一言。私のような素人が読むべき本ではない。中学の国語・社会の先生以上の立場にある人が読むべき本では?ただ、少しだが興味深い箇所もあった。日中間の書籍の往来がいかに文化興隆に資するかということ。入唐僧たちが漢籍渡来の主役だったらしいことは敬服するばかり。鎖国時代に長崎に入ってきた書物の記録である「唐船持渡書」についてや、奝然の『王年代紀』などが出てくると、少し元気が出てくるが、あとは、、、こんな本を読んで〝ああ、いい本を読んだなぁ〟と満足できる自分になれればいいのだが、、、2020/01/13