出版社内容情報
蚊は人の血を吸う嫌な奴と思われがちだが、多くの蚊は人間に危害を与えることなく、生態系の一員として巧みに生き延びている。そんな蚊の生態を11人の研究者がやさしく解説する。
内容説明
本書は、11人の蚊類の研究者が人畜の有害蚊だけでなくいろいろな種類の蚊の生態について、日頃の観察結果を自由に平易な文章で記述・解説している。
目次
蚊とはなにか
蚊の吸血の不思議―吸血機構と吸血性の進化
竹林にすむ蚊―ヤンバルギンモンカの生態
やぶ蚊たちの四季
樹洞にすむ蚊と動物群集
世界でもっとも大きく美しい蚊―空飛ぶ殺虫剤:オオカ
蚊を食べる蚊―カクイカ
蚊の暮らしからわかること―ネッタイシマカの適応と分化
マラリア防圧の指導者・大浜信賢先生とオオハマハマダラカ
人は世につれ、蚊は人につれ
かゆいばかりか病気をうつす蚊―大丈夫か日本は!?
ラオスのハマダラカとマラリア
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koichiro Minematsu
53
蚊の不思議さも嫌われるのも、単にその生きるための吸血行動にある。 また、媒介する問題が人にマラリア、ウエストナイル熱、デング熱などの感染症もあり、昨今日本でもグローバル化でアフリカ大陸でしか確認できなかった感染が日本でも起きているのは心配。2024/04/11
舌噛
1
下唇に包まれた大顎小顎上唇、ノコギリ状の小顎を使って皮膚を切り裂いて針を刺す仕組みをこの本で初めて知ることができた。オオカが吸血せずに他の蚊の幼虫を食べてしまうことにより蚊の天敵になること、竹の節の水たまりの中になぜ1匹しかいないのか、何のために人の血を吸いに来るのかという生息の仕方との関連性がわかる解説がとても面白かった。共著者による論文集の形でそれぞれ独立した文章なのが妙に生々しさを感じた2017/05/25
oko
0
実家では全く見かけなかった種類の蚊が今の家では主流 あまりにも違うそれらの特徴にずっと疑問があったけどこれを読んで少しわかった 生きていくために吸血するのはわかったから、どうかかゆくするのはやめて~と言いながらぱちん!と殺生する あ、けどそれは進化医学の本を読んで理解もできたんだけどね…そこからはまた人体の神秘…とにかくしばらくは蚊との戦いだ~2012/07/17