感想・レビュー
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NAO
39
『七破風の屋敷』のみ。マシュー・モールの土地を取り上げて屋敷を建てたピンチョン大佐。だが、マシューが死の直前に吐いた呪いの言葉が、ピンチョン一家に重くのしかかる。ピンチョン家の屋敷は、本当に呪われているのか。屋敷に住む者はどんどん貧しくなっていき、数代のちのヘプシバーは、貴族でありながらついに一文屋をしなければならないほどに落ちぶれる。呪いの謎とともに、ヘプシバーと兄クリフォードにやたらと絡んでくるピンチョン判事(彼の方は大金持ちだ)との間のいわくありげな確執が、物語に妖しい影を落としている。2016/05/13