ちくま学芸文庫<br> 実存からの冒険

ちくま学芸文庫
実存からの冒険

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 270p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480082411
  • NDC分類 114.5
  • Cコード C0110

目次

第1章 真理批判と「生の肯定」―ニーチェ(キリスト教的道徳はなぜよくないのか;「力への意志」という見方 ほか)
第2章 可能性の了解―ハイデガー(現象学から存在論へ;実存の基本構造;本来性と非本来性)
第3章 現象学=実存論とは何か(「ポスト・モダン」、ヘーゲル、実存論;実存からの冒険)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ももたろう

30
再読。ニーチェ自身の著作ほどのエネルギーはないけど、西研氏流のニーチェ解釈は好きだ。ニーチェ自身の著作には彼の力強さがありありと感じられる。西研氏のニーチェ像は、私達が生きる上で感じるつらさや苦しみを丁寧に汲み取った上で、ニーチェの言葉を解釈する。真理や救済の観念に頼るのではなく、今ある現実の中で、自分自身で生の喜びを感じられるよう努力していこう、という優しいメッセージに変わる。ニーチェは想像を絶する苦しみを経て、彼の思想を完成させた。永劫回帰の思想がやはり核になる。運命愛。「苦悩よ、待ってたぞ!」2017/02/03

ももたろう

12
実存主義の基礎学である現象学を学ぶために。P108〜130を中心に再読。フッサールの現象学をシンプルに『客観の存在妥当の仕方を、意識を観察することによって読み取っていくこと』とまとめていた。コップを例にとって、コップという客観的事物がまずあって、次に認識するのではないと述べる。まず自分の意識があって、次にコップがあると認識する。さらにそれが間違いなくコップだと意識できるのは、どういういう時なのか?ということを突っ込んでいるとこが興味深い。現象学の学びを深めるため、次は同じ著者の『哲学的思考』へと進みたい。2015/12/02

cybermiso

5
主にニーチェとハイデガー。最後にヘーゲル。実生活に紐付く説明で読みやすく、分かりやすかった。1980年代に書かれた本であり、その時代の漠然とした孤独感がニーチェやハイデガーの解説を通じて染み出ている。マルクス主義や全共闘の話題もちらほら出てきて、その時代の若者の気持ちが分かるような感じ。思い込みの「真理」や「理想」を前提とした議論は気づかないうちに孕みうるし、だからこそ注意しなくてはならないと、ニーチェのキリスト教的道徳批判、現象学の主体主導な意識の批判を知りつつ感じた。2015/02/28

グスタフ

5
哲学の難解なテキストの中から、自分の生への欲求を掻き立てるものを抽出し、解説するのが西先生のスタンスだ。読者が共感できれば、他の概説書と比べ、触発されるものは大きい。印象的なのは、各思想家の「俺だけは、他と違う」という自己正当化を敏感に読み取り警告を発するところ。それは、西先生自身が、自分を受け入れない世界への防波堤をつくろうとしてヘーゲルやマルクスを読んでいた事への戒めだったことがわかる。20代後半から、自分を閉ざしてきたことのリハビリだったそうだ。あの印象的な笑顔の裏には、そのような背景があったのか。2011/11/21

ももたろう

4
ニーチェ入門として。本当にニーチェは凄い。印象に残った言葉を羅列する。【この世に真理はない。真理を得たという確信を抱くだけだ。それは、思考に最大の力を与える】【どこかに本当のことがあるのではなく、「本当だ」という確信がやってくるだけだ】【永劫回帰の思想。これは突き詰めると、今自分が本当に納得しているかどうか、生きる基準になる】2014/09/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/413078
  • ご注意事項

最近チェックした商品