内容説明
ギムナジウムから大学へ、若き日の友人に滔々と吐露する学問への情熱。ヴァーグナーの音楽への一途な傾倒と、ある日突然の幻滅がもたらした決定的な離反。ルー・ファン・ザロメへの熱き思い、恋の告白、それにもかかわらず成就しなかった愛。そして、何をおいても、自著にたいする大きな自負と、世界の無理解への徹底的な対峙。1861年から1883年の23年間にわたるニーチェの肉声を、ここに集成する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
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手紙は線状の時に沿って書き手から読み手へ届く。この時の流れに対して、ギムナジウムの学友へ呼びかける言葉は、日付によって思春期の揺れ動く情動を留めようとする。一方『悲劇の誕生』出版後の非難に面してヴァーグナーへ送られる言葉は、ページと日付の共謀する書物から離脱するほど動揺している。が、ザロメ、ガスト、オーヴァーベクへの手紙では、逆に積極的アナクロニズムへの転換が見られる。そして『ツァラトゥストラ』執筆に入る時期、意志の自由を否定するスピノザを発見する著者は、線状の時を刻んできた日付に永遠回帰の強度を与える。2017/08/15
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**哲学**哲学ネタSFの読解の為読了。感想は下巻でまとめます。2012/12/07