内容説明
かつて西欧列強による植民地化の危機にさらされた日本は、「富国強兵」を国是とすることによってそれを切り抜けた。そして今、日本は再び、水・ゴミ・エネルギーに代表される地球環境の限界に直面している。機能性のみを重視し、暴力と破壊に行きつく「力の文明」はどうすれば克服できるか。国土構想を問い直し、「美の文明」に基づいた独自の未来戦略を提示する。
目次
第1章 「力の文明」から「美の文明」へ(文明の基礎とは何か;地球環境を破壊する「力の文明」 ほか)
第2章 岩倉使節団における美の発見(夷狄から中華に変わるアメリカ;空間軸から時間軸へ転換する文明観 ほか)
第3章 東京時代と決別する(「生活の五五年体制」を打破する;那須・阿武隈への首都移転 ほか)
第4章 西洋学から地域学へ(アジアの周縁に未来がある;日本の平和部隊―青年海外協力隊 ほか)
著者等紹介
川勝平太[カワカツヘイタ]
1948年、京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、同大学経済学研究科博士課程修了。オックスフォード大学哲学博士。早稲田大学教授を経て、現在、国際日本文化研究センター教授。国土審議会委員。専門は比較経済史。斬新な「文明の海洋史観」を提唱し、注目を集める。また、21世紀の日本文明にふさわしいビジョンとして「富国有徳」を唱え、美しい国土を持つ世界に誇りうる日本列島、庭園の島(ガーデンアイランズ)構想を提唱している。主な著書に『富国有徳論』(中公文庫、アジア太平洋賞特別賞)、『文明の海洋史観』(中公叢書、読売論壇賞)などがある
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感想・レビュー
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