人はなぜ傑作に夢中になるの―モナリザからゲルニカまで

人はなぜ傑作に夢中になるの―モナリザからゲルニカまで

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  • サイズ A5判/ページ数 179p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784473016768
  • NDC分類 702
  • Cコード C0070

内容説明

タイトルこそ「人はなぜ傑作に夢中になるの」になりましたが、序文にもあるように、本書の目的はかならずしもこの問いに答えをだすことではなく、「傑作」について心の赴くまま、想いをめぐらすことにあるようです。長い年月、多くの人びとを魅了してきただけあって、傑作とされるものは作品そのものをくわしく見れば見るほど、また制作までの経緯や時代背景、美術史との関連を知れば知るほど面白みが増してきます。古典的な名作の説明というと技法や主題のもつ象徴的な意味合いの解決に傾くことの多かった類書のなかでは、著者の視野の広さが新鮮に感じられるのではないでしょうか。

目次

過去の曲解―アルタミラの洞窟絵画
生命の芳香―ネフェルトイティ
破片―ミロのヴィーナス
遠くて近きは…―レオナルド・ダ・ヴィンチ「モナリザ」
とらえどころのない美―ボッティチェリ「ヴィーナスの誕生」
傑作は作品にあらず、作者なり―ミケランジェロの芸術
性、暴力、信仰―カラヴァッジョ「バッカス」
魔法の絵―ベラスケス「ラス・メニーナス」
身体にシンボルが宿るとき―ドラクロワ「民衆を導く自由の女神」
嫌いな絵を好きになる訓練―マネ「オランピア」〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

そのじつ

2
一般の鑑賞者にむけて美術との関わり方の糸口を提示する本。中野京子「怖い絵」や宮下規久朗「裏側からみた美術史」に近い感触。「社会と大衆と美術」という切り口は研究者としてのスタンスを持ち、宮下氏の著書と近い匂い。史実や秘話を提示するだけでなく、現代の私達が対象の作品に何を見ているのか、求めているのか…という社会的無意識下の世界に潜って行く試み。ちょっとスリリングで大胆な、個人的感触にも自信を持って畳み掛ける語り口は中野京子を彷彿とさせる。白眉は「モナリザ」を扱った項。傑作とは、に対する彼女の定義を示している。2012/01/19

みづうみ

1
ライトな語り口なのに、思ったより時間がかかってしまった。あえてどの作品も全体像を掲載しないことによって、実物をみたいという思いに繋がる構成だと感じた。本当に細部までよく観察されている。著者が判断を鑑賞者自身に委ねるというコンセプトを持っていると私は解釈しているけれど、それにしても著者なりの表題へのアンサーが欲しかったところ。まるきり捉え方を投げられると、鑑賞としてはありだが研究としては扱いづらい。とりあえず別の本も読んでみることにする。2015/04/20

ヤボ

0
★★★★★ボッティチェリとベラスケスの章が秀逸。美術館で絵を見ながら、あの絵についてはどんな切り口で語ってくれるかな?と思ったりする。続編を熱望!

みのかさご

0
ある程度、絵が思い浮かばないと読んでも意味ががわからない。言っていることがわかるような、わからないような。傑作は、作り上げられるってことかな?2014/08/28

mao

0
傑作とは、長い歴史の中で生まれた数多の営みのうち、近代的価値観によって需要されたものであるのかもしれない。そして我々大衆がそれを傑作だと祭り上げ、複製して販売し世に溢れさせる程に傑作は傑作となってゆく、古代の落書きですら。 しかしそれらの多くは、あくまで貴重な資料であるだけで「美」術ではないのではないか。 美とは?ーーそれは、生に関する事柄、性、愛、暴力、情熱…これらへの先人たちの眼差しを作品に見て取れる時に、私たちの心に生まれるものではないか。それゆえに、美は大衆的、ある程度普遍的であるのではないか。2014/08/12

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