長崎純心レクチャーズ<br> 学問と信仰―一法学者の省察

長崎純心レクチャーズ
学問と信仰―一法学者の省察

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  • サイズ B6判/ページ数 209p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784423301203
  • NDC分類 321.1
  • Cコード C1316

内容説明

日本国憲法をはじめ世界中の憲法で保障される基本的人権、その究極の根拠とは何か。思想が世俗化した今日、われわれは人間の尊厳がどういうことであるのか説明することはできても、なぜそれを絶対的に且つ無条件に尊重すべきかという根拠については合理的に示すことができない。本書は、啓蒙時代以降自らを絶対化しオールマイティーとなった理性が、信仰を失ったことで現在どのように懐疑主義にむしばまれ、弱体化してしまったかを、自然法論の歴史を例証に説得的に描きだす。長年、法哲学および自然法研究に従事してきた著者が、学問と信仰の相違点と共通点を明らかにする必要をとき、両者補い合ってこそ人間は真に豊かな知恵を授けられると語る、ユーモアにあふれた明快な講演。

目次

第1日 学問の発展と理性(言葉遣いと専門用語について;理性とは何か、その働き;理性の邪道 ほか)
第2日 自然法論の歴史における理性と信仰の役割(西洋文化における自然法論の登場;自然法(論)の第一段階の「神聖化」
自然法(論)の第二段階の「神聖化」(キリスト教化) ほか)
第3日 学問と信仰と人間(学問の他に知恵もある;二種類の知識;信仰とは何か ほか)

著者等紹介

ヨンパルト,ホセ[ヨンパルト,ホセ][Llompart,Jos´e]
1930年マヨルカ(スペイン)生。1954年哲学修士、同年来日。1962年神学修士(ドイツ)、一年間ベルギー滞在。1967年ボン大学法学博士。2000年上智大学法学部教授として定年退職。上智大学名誉教授
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感想・レビュー

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北条ひかり

2
4時間22分(ロゴス点字図書館と音訳者さんに感謝) 憲法で最も重要とされるものは個人の尊厳だということは、法学を学ぶ者なら誰でも教えられることだが、この根拠を自然法思想に求めるだけで、その具体的内容については深く考察しないのが日本の法学教育の伝統であるようだ。まあ、司法試験には出ないしね(笑)。本書はカトリック司祭の法哲学者による(1)理性、ディコトミー、(2)自然法、(3)学問と信仰、をめぐる講義録である。読めばすぐに分かるが、その議論のレベルは高い。実定法バカの私には一部理解不能な点もあった。2015/08/10

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