感想・レビュー
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泉鏡花は紅葉を本当に崇拝していた。元々田舎者ゆえの鏡花は江戸っ子を意識的に学び、師匠に江戸弁で叱られたりすると却って気持ちがスーとして嬉しかったという。鏡花を研究する著者に言った言葉は『…鴎外さん、それから夏目さんも立派だと思いますが、いや、他の方々も立派でないなんていうんじゃありませんよ。谷崎くん、芥川君の文章にも敬服します。しかし、私の師匠は格別で、もうなんの批評の余地がありません。』自然派、浪漫派対立する文学の方向性、文豪たちの立位置、漱石と鏡花が互いに好感を持ち交流していた事など興味が尽きない。→2022/11/06