出版社内容情報
大統領をはじめ、開拓時代から現代に至るアメリカの民衆文化を支えるヒーロー像を跡づけながら、アメリカ人とは何かを語る著者渾身の力篇。
内容説明
開拓時代から現代まで庶民のヒーロー像はどう変わったのか。英雄列伝風アメリカ民衆史。
目次
1 アメリカ人のヒーロー熱
2 神話としてのアメリカ政治家
3 開拓の巨人たち
4 奇跡の活動家たち
5 荒野の騎士たち
6 新しいフロンティア
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コニコ@共楽
3
アメリカ人のヒーロー好きは以前から感じていたことだ。この本はどんな人(架空の人物も含めて)がヒーローたりえたかを系譜として辿っている。アメリカのフロンティア時代と深く関わる自然自由人を神話化している。アメリカ人の精神的シンボル、アイデンティティなるものがヒーローになっていったといえる。日本ではあまり馴染みのないジョニー・アップルシード、ポール・バニアン、ジェシー・ジェイムズについて書かれている点も興味深かった。2014/02/12
rosie
1
アメリカン・ヒーローの系譜を通して見る、アメリカ人の精神の展開。知識の不足から、イメージが追いつかない箇所もあったが、概して問題なく読めた。2012/03/02
武藤陽生(Yosei Muto)
0
アメリカ人はつねにヒーローを求めている。大統領選挙でも政策や公約よりも候補者のヒーロー性が云々されることが多い。デイヴィ・クロケット、ジェシー・ジェイムズ、ビリー・ザ・キッド、ポール・バニヤン、神話を持たないアメリカ人がヒーロー視してきた人物はフロンティア時代に多い。それも西部開拓がほかの神話でいうところの天地開闢に相当したのだと考えれば首肯できる。2016/08/25
てり
0
アメリカのヒーローを個別に挙げながら、アメリカ的なもの、アメリカそのものをあぶり出すエッセイ。やっぱりフロンティアの消失以前・以後で線が引かれるような印象。ふと2000年以降でそんなヒーローいたかなぁと考える。政治家、ビジネスマン、スポーツマン、芸能、文化人などどれも小粒な印象。価値観の多様化とやらでもうそんな人は出てこないのかも。2022/06/03