知られざる戦争犯罪―日本軍はオーストラリア人に何をしたか

知られざる戦争犯罪―日本軍はオーストラリア人に何をしたか

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 262p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784272520305
  • NDC分類 329.67
  • Cコード C0021

内容説明

東京裁判の被告選定過程で、オーストラリアだけが正式に天皇を被告とするよう提案した。日本の戦犯裁判で、終始最も厳しい態度をとり続けたオーストラリアには、どのような戦時体験があったのか。戦慄すべき所業の数々―それは捕虜虐待に始まり、虐殺、強姦、そしてついに人肉食に至る―が、オーストラリア国立公文書館・戦争博物館での封印を解かれて、いまはじめて再現される。信頼できる史料に拠って事実を掘り起こし、集団狂気の日常化を生んだ原因を追究した本書は日本人に深刻な反省を迫る。

目次

第1章 捕虜虐待とジュネーブ条約―サンダカン捕虜収容所を中心に
第2章 捕虜虐殺とその責任問題―サンダカン「死の行進」を中心に
第3章 戦争における女性虐殺・強姦・強制売春―豪州従軍看護婦の体験を中心に
第4章 ウエッブ裁判長と日本陸軍の人肉食罪―「人肉食」に関する豪州軍資料を中心に

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

小鈴

33
第四章「ウエッブ裁判長と日本陸軍の人肉罪-「人肉食」に関する豪州軍資料を中心に-」。小説や元日本兵の証言はあるものの、南太平洋諸島の戦場における人肉食はうわさの域にとどまり、その実態に関しては事実を踏まえて分析する資料を持ち合わせていなかったが、著者は1992年にニューギニアで日本軍と戦っていた豪州陸軍によって作成された報告書や日本兵捕虜の尋問書、戦争犯罪裁判記録など数多く存在することを発見した。未だに未公開の資料もあるが入手した資料からでもどのような背景で人肉食が行われたのかがほぼ明らかになった。2019/08/18

Toska

12
東京裁判絡みでは、インドのパール判事による日本無罪論が好んで語られる一方、豪州が天皇訴追を要求した一件はほとんど取り上げられない歴史的記憶のつまみ食いがある。では何故オーストラリアが日本の戦争犯罪に厳しい態度を取ったのか?という問題に迫った一冊。捕虜殺害、女性虐待、果ては人肉食と、残酷なエピソードがこれでもかとばかりに出てくる。日本軍のみならず日本史上の汚点と言わざるを得ない。2024/04/18

水無月十六(ニール・フィレル)

5
旧日本軍によるオーストラリア兵捕虜に対する虐殺と人肉食について書かれた本。内容が内容だけに読んでから日にちが経ってしまい、うろ覚えの状態であまり詳しい感想を書くべきではないと思うので、いずれ再読したい。オーストラリア軍と旧日本軍との関わりは、不勉強もあって史実的にもあまり触れられているのを見たことがなく、新鮮で興味深かった。まだまだ戦争については知らないことが多いと感じた。2022/05/10

Fumitaka

3
主にオーストラリア軍の捕虜に対して日本軍が行った捕虜の虐待や虐殺、婦女暴行、人肉食について取り扱う。残念ながら日本の国粋主義者も、またそれに対する「批判者」も近隣諸国を中心に物事を考えすぎる傾向があることは否めず、こういった東南アジアにおける事件の検討は一石を投じている。そして同時に、戦争という極限状態の中で誰(どの国民)にでも生じうる点と、大日本帝国が抱えていた独自の要因の双方について指摘している。こういった「特殊性」と「普遍性」(pp. 6-7)の双方の視点はいずれも不可欠である。2023/05/03

だちょう

3
この本は主にオーストラリア側の資料から当時の日本軍の戦争犯罪を読み解いたもの。サンダカン捕虜収容所(2500人の捕虜のうち生き残り6人)も衝撃的だったが、最後の人肉食の話も衝撃だった。日本兵側の証言を読んだことはあるが、個人の目撃証言程度だった。それに対して、ここに載っているオーストラリア軍の資料は死体にどのような損壊が加えられていたか、明確に記載されているのである。 筆者の姿勢も興味深く、安易な「日本人特殊論」を批判して、捕虜の虐待や食人を招いた軍の性質、それを許した社会構造について論じている。2021/12/04

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/667876
  • ご注意事項

最近チェックした商品