文春文庫
冬の眠り

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  • サイズ 文庫判/ページ数 397p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167419066
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

画家仲木は傷害致死罪で三年間服役し、山中で創作の日々を送っていた。ある日女子大生暁子が訪れる。孤独な心に命への情動が甦り、仲木はその裸体を描き、抱く。そこに青年大下が現れ、三人の奇妙な関係は死の予感を孕んで凄絶に展開されていく。表現者の哀しみと狂気を冷徹に見据えた異端のハードボイルド。

著者等紹介

北方謙三[キタカタケンゾウ]
昭和22(1947)年、佐賀県唐津市生れ。47年中央大学法学部卒。58年「眠りなき夜」で第1回日本冒険小説協会大賞、第4回吉川英治文学新人賞、平成3年「破軍の星」で第4回柴田錬三郎賞、16年「楊家将」で第38回吉川英治文学賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はつばあば

55
「白日」の前にこの作品を読むべきだった。あちらは能面打ち、こちらは絵描き。あちらが海でこちらは山。内容もまだ100頁過ぎたところだが・・モンブランのケーキも抹茶のモンブランも味がちょっと変わるだけで土台は一緒。二冊続けて同じような内容では(^^;。「彼が狼だった日」で若かった頃の血をたぎらせる?ハードボイルドに行ってみます。「冬の眠り」は後日完読してからレビューを挙げたいと思います2018/05/01

よこ

7
前半は主人公仲木の内省だ。仲木の感情や心の在り方が、彼の目に映る情景に反映されている。息が詰まるほどの圧倒的な孤独。そこに暁子の登場だ。もしやロマンス?甘美な予感に浮き足立つも中盤以降にガラリと心象が変わった。仲木は、俗世と距離を置きながらも自分という人間を分かって欲しい、そんな生きる証のようなものを求めはじめたように思う。相反するように、芸術家としてこの世の果てを見たいという欲求も生まれた?いずれも暁子との出会いがきっかけのように思う。この拮抗する先にあるものは、はたして仲木の見たかったものだったのか。2018/02/15

Stair512754

1
まいった 北方謙三を読むのは3冊目 前の2冊に関しては、いまいちピンとこなかったのだが、この本にはやられた いわゆるハードボイルドではあるが、主人公がスーパーヒーローでもなく、ドラマチックな展開があるわけでもなく、はたまたバイオレンスたっぷりの描写があるわけでもない ただただ、主人公の内面を徹底的に描きつくした作品 3冊続けて北方作品を読んだが、この3冊目で、もう少し北方作品を読み続けてみようかと思いなおした 2007/04/21

tai65

1
星4つ2013/06/03

つつの

1
読み終わるのがもったいないほど緻密に造りこまれた話でした。主人公の仲木は画家という職にさほど固執しているわけではなくいつ描けなくなっても構わないとすら思っている反面で、その生き様は「描く」ということに取り憑かれた人間そのもので、しかしその衝動に取り殺されることもなく生き続ける。全体としての盛り上がりに欠けるかもしれませんが「冬の眠り」という題名にはふさわしいラストでした。2013/03/29

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